土地込みで4000万円内の注文住宅!ハウスメーカーの実例・間取りを紹介

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4000万円の注文住宅と聞くと、かなり豪華な家を想像するかもしれません。実際に土地を持っているのであれば、積水ハウスや住友林業などのハイコスト住宅メーカーに依頼して、クオリティの高い注文住宅を手に入れることが可能です。

しかし、都心で土地込みの注文住宅を建てるとなると、4000万円の予算ではコンパクトなローコスト住宅しか選べないケースもあります。なぜそのようなことが起きるのか、ここでは土地込みで4000万円の注文住宅の実態と、実際に家を建てるときの注意点などを詳しく解説していきます。

土地込みで4000万円の注文住宅はどんな家?

4000万円はかなりの大金ですので、それだけの予算で注文住宅を建てるとなると、十分な予算があるように感じますよね。

ところが、国土交通省が発表した令和5年度の住宅市場動向調査によると、注文住宅を建てた人の住宅建築資金と土地購入資金の合計の平均は5811万円となっています。このため、土地込みで4000万円となると相場よりも安く注文住宅を建てることになります。

低予算で家を建てるとなると、すべてが理想どおりの家というわけにはいきませんので、どのような家に仕上がるのか気になるかと思います。そこで、ここでは土地込みで4000万円の注文住宅がどんな家になるのか、詳しく解説していきます。

都内だと10坪以下のローコスト住宅になる

岩井佑樹
岩井佑樹

予算は「土地込みで4000万円」となるときに、まず考えなくてはいけないのは土地代がいくらになるのかということです。

お金持ちが暮らしているイメージの東京都港区の場合、2024年9月17日現在で、SUUMOに掲載されている最も安い土地が、8.27坪で8000万円になり、それだけで予算オーバーとなってしまいます。このように、4000万円の予算があっても、土地が高いエリアでは家を建てられません。

港区は極端な例ですので、もう少し現実的にシミュレーションしてみましょう。

エリア東京都世田谷区
敷地面積8.37坪
土地価格※2100万円
※SUUMOで世田谷区最安値

このケースで都内に家を建てられるか検討してみましょう。

土地取得諸経費を土地代の7%とすると、147万円の諸経費が加算されます。これを4000万円の予算から差し引くと、建物にかけられる予算は1753万円になります。このうち付帯工事費が20%、住宅の諸費用を10%とします。

付帯工事費350.6万円
住宅の諸費用175.3万円

これらの金額を建物にかけられる予算から差し引くと、1227.1万円になります。土地が狭いため建物価格はそれほど高くなりませんが、それでもこの金額で家を建てられるハウスメーカーや工務店はかなり限られてしまいます。

4000万円かけても、都内ですと8坪ちょっとの土地にローコスト住宅を建てられるかどうかというのが現実です。とはいえ、反対に土地がとても安い地域に家を建てるとなると、注文住宅に3000万円以上の予算を充てることもできます。

岩井佑樹
岩井佑樹

どこに家を建てるかによって、建物のサイズやグレードが大きく変わってきますので、まずはそのことをしっかりと頭に入れておきましょう。

予算4000万円で土地込みの注文住宅の間取り

土地込みの予算が4000万円の場合、ローコスト住宅になることもあれば、ハイコスト住宅に仕上げることもできます。すべては土地を取得する費用次第ということになるのですが、単純な間取りはローコスト住宅でもハイコスト住宅でも、それほど大きな差はありません。

たとえば10坪でも、3階建てにすることで3LDKの間取りにできます。40坪の広い土地を買ったとしても、家を建てるのに利用するのは30坪程度ですので、やはり3LDKや4LDKといった間取りになります。

ただし、同じ3LDKであっても、建物にかけられる予算が多いほど間取りの自由度が高くなります。

岩井佑樹
岩井佑樹

ローコスト住宅は間取りの自由度はほとんどありませんが、ハイコスト住宅なら自由設計が可能で、自分の思いどおりの家に仕上げることが可能です。

自分の理想とする間取りで家を建てたいのであれば、土地にはあまりお金をかけないこと。それが予算4000万円で家を建てるときの必須条件になります。

予算4000万円で土地込みの注文住宅の特徴

ここまでの説明で土地込み4000万円の注文住宅について、具体的にイメージできるようになったかと思います。ここではそんな4000万円の注文住宅について、もう少し深掘りしてご紹介します。

予算4000万円で土地込みの注文住宅には、次のような特徴があります。

  • 東京23区内でもOK
  • 郊外なら自由度の高い注文住宅にできる
  • 断熱性などの住宅性能を重視できる
  • 個性的な外観の住宅にできる
  • 設備にこだわることができる

東京23区内でも8坪程度なら2000万円台で購入でき、ローコスト住宅なら注文住宅を建てることができます。反対に土地が安い郊外であれば、理想どおりの注文住宅に仕上げることもできます。

ただし、すべての理想を叶えられるわけではなく、住宅性能や外観、設備などはどこかで妥協が必要です。それでも、ミドルコスト住宅レベルの性能やデザインは確保でき、キッチンやトイレ、浴室などの設備も標準よりも優れたものを選べます。

ハイクオリティではないものの、快適に暮らせるのが予算4000万円の注文住宅です。ただし、より良いものをばかりを選ぶと予算オーバーになるので注意が必要です。

4000万円の注文住宅に対応しているハウスメーカー

4000万円の注文住宅といっても、土地代によって建物にかけられる予算がまったく異なります。そして建物にかけられる予算によって、おすすめのハウスメーカーも変わってきます。ここでは、都市部と郊外に分けて、おすすめのハウスメーカーを紹介します。

【都市部】おすすめの大手ハウスメーカー

アキュラホーム

SUUMO

本体価格3,500万円~3,999万円
坪単価58.3万円~66.6万円
延床面積198.73m2
坪数60.1坪
間取り4LDK
施工会社アキュラホーム

タマホーム

SUUMO

本体価格3,500万円~3,999万円
坪単価64.9万円~74.1万円
延床面積178.44m2
坪数53.9坪
間取り4LDK
施工会社タマホーム

アイフルホーム

SUUMO

本体価格4,000万円~
坪単価79.3万円/坪~
延床面積166.86m2
坪数50.4坪
間取り4LDK
施工会社アイフルホーム

セルコホーム

SUUMO

本体価格4,000万円~
坪単価85.4万円
延床面積155.00m2
坪数46.8坪
間取り4LDK
施工会社セルコホーム

クレバリーホーム

SUUMO

本体価格3,500万円~3,999万円
坪単価89.7万円~102.5万円
延床面積129.07m2
坪数39.0坪
間取り2LDK
施工会社クレバリーホーム

アイ工務店

SUUMO

本体価格3,500万円~3,999万円
坪単価61.6万円~70.4万円
延床面積187.97m2
坪数56.8坪
間取り3LDK
施工会社アイ工務店

小嶋工務店

SUUMO

本体価格3,500万円~3,999万円
坪単価101.3万円~115.8万円
延床面積114.25m2
坪数34.5坪
間取り2階建て
施工会社小嶋工務店

木下工務店

SUUMO

本体価格3,800万円~3,899万円
坪単価104.7万円~107.4万円
延床面積120.06m2
坪数36.3坪
間取り3LDK
施工会社木下工務店

土地が高い都市部でも4000万円の予算があれば、ハウスメーカーの選択肢が広がります。建物価格を2000万円とした場合に、対応可能になるのがこの8社で、アイダ設計やタマホームなどのローコスト住宅なら、東京23区内でも対応可能です。

選択肢が多いものの、いずれもリーズナブルなハウスメーカーとなっており、デザインはシンプルで、間取りの自由度も高くないため、こだわりのある注文住宅を建てたい人には適していません。

【郊外】おすすめの大手ハウスメーカー

ウィザースホーム

SUUMO

本体価格3,800万円~3,899万円
坪単価77.0万円~79.0万円
延床面積163.35m2
坪数49.4坪
間取り3LDK
施工会社ウィザースホーム

スウェーデンハウス

SUUMO

本体価格3,000万円~3,499万円
坪単価80.0万円~93.3万円
延床面積124.02m2
坪数37.5坪
間取り3LDK
施工会社スウェーデンハウス

三菱地所ホーム

SUUMO

本体価格3,800万円~3,899万円
坪単価104.0万円~106.7万円
延床面積120.90m2
坪数36.5坪
間取り4LDK
施工会社三菱地所ホーム

土屋ホーム

SUUMO

本体価格3,540万円
坪単価71.8万円
延床面積163.04m2
坪数49.3坪
間取り3LDK
施工会社土屋ホーム

ヤマダホームズ

SUUMO

本体価格3,500万円~3,999万円
坪単価98.7万円~112.7万円
延床面積117.34m2
坪数35.4坪
間取り4LDK
施工会社ヤマダホームズ

ユニバーサルホーム

SUUMO

本体価格3,000万円~3,499万円
坪単価70.1万円~81.8万円
延床面積141.50m2
坪数42.8坪
間取り4LDK
施工会社ユニバーサルホーム

郊外なら1500万円で30坪の土地を購入できるため、建物に2500万円くらいの予算を使えます。2500万円あれば、ヘーベルハウスや三井ホームなどの大手ハウスメーカーが選択肢に入り、個性的かつ快適な家を建てられます。

このくらいの予算があれば、使用する資材のクオリティが高くなり、家の寿命が長くなります。定期的なメンテナンスは必要ですが、長く暮らせるため、トータルで住宅にかける費用を抑えられます。

細部にこだわりたいなら工務店も選択肢に入れる

岩井佑樹
岩井佑樹

予算を十分に確保できるなら、大手ハウスメーカーを選べば間違いありませんが、せっかく家を建てるなら細部にまでこだわりたい人は、地元の工務店がおすすめです。

工務店は大手ハウスメーカーと比べて、デザインの自由度が高く、個性的な外観に仕上げてくれます。

もちろん、内装や間取りの自由度も高く、家を建ててからのアフターフォローも迅速に対応してくれるといったメリットもあります。しかし、倒産リスクは大手ハウスメーカーよりも高く、いつまでも手厚いサポートを受けられるとは限られません。

さらに、工務店は対応できるエリアが限られており、とても魅力的なデザインの家を建てている工務店をインターネットで見つけても、エリア外のため対応してもらえないこともあります。そのようなデメリットもありますが、工務店は低予算で満足度の高い家づくりを得意としていますので、土地代が予定よりも高くなった場合は、選択肢に入れて検討しましょう。

4000万円の注文住宅を建てるときの住宅ローン

注文住宅と土地の購入代金の合計が4000万円にもなると、宝くじにでも当選しないかぎり、住宅ローンを利用することになります。ただ、借り入れする金額があまりにも大きすぎて、4000万円借りるということがどういうことなのか、イメージできない人もいるかもしれません。

ここではそのような人のために、4000万円を借りたときの返済額や返済総額についてシミュレーションし、借りる際の注意点なども解説していきます。

返済額シミュレーション結果

借入条件

借入希望額:4000万円

頭金:0円

ボーナス分借入金額:0円

返済期間:35年

返済方法:元利金等返済

変動・固定金利毎月返済額総返済額
変動金利年0.475%103,392円43,424,640円
固定金利2年年1.600%124,442円52,265,640円
固定金利10年年2.050%133,533円56,083,860円
固定金利20年年2.500%142,998円60,059,160円
三井住友銀行

シミュレーション結果に対する考察

岩井佑樹
岩井佑樹

4000万円を借りる場合、年利0.475%の変動金利でも、毎月の返済額が10万円を超えます。

賃貸住宅の家賃が10万円となると、手取りが30万円以上必要とされる金額ですので、世帯収入がそれなりに多くないと、これくらいの金利でも返済困難になる可能性があります。

さらに固定金利特約型20年で年利2.500%になると、毎月の返済額が14万円以上で、さらに総返済額は約6000万円にもなります。「なんとかなる」くらいの軽い気持ちで借りると、想定以上の大きな借金を抱えてしまう可能性があります。

まずは、きちんと返済計画を立てて、無理なく返済できる金利が設定されている住宅ローン商品を選びましょう。そのうえで、収入が一時的にでも止まったり、減ったりした場合でも、返済を継続できるように備えておくことが大切です。

土地込みで4000万円の注文住宅を建てる5つのポイント

土地込みで4000万円の予算があれば、大手ハウスメーカーに依頼することもでき、クオリティの高い注文住宅を建てられます。ただし、家づくりの満足度は住宅のクオリティだけで決まるわけではありません。

予算4000万円で満足度の高い家づくりをしたいなら、下記の5つのポイントを頭に入れておきましょう。

  • 生活のしやすさで土地を選ぶ
  • 将来の暮らしも意識して間取りを決める
  • ランニングコストを意識して家を建てる
  • 複数のハウスメーカーや工務店の提案を比較する
  • 頭金を用意するなどして無理のない返済計画を立てる

それぞれのポイントについて解説していきます。

生活のしやすさで土地を選ぶ

4000万円の予算で土地探しをする場合、土地代の上限は2500万円程度となります。できれば2000万円以下に抑えたいところですが、それによって生活するのが大変になったのでは意味がありません。

  • 学校や病院、スーパーなどが近くにある
  • 自然災害のリスクが低い
  • 最寄り駅まで徒歩でもアクセスできる
  • 事故や事件などが少なく治安もいい
  • 通勤に時間がかからない

できればこれらすべてを満たしている土地の中から探しましょう。ここで妥協すると、どんなにクオリティが高い家で暮らせても、後悔する可能性があります。多少予算を多めに使っても、生活しやすい場所に土地を購入してください。

将来の暮らしも意識して間取りを決める

クオリティの高い注文住宅は寿命が長く、100年以上も建て替えが必要のない家も増えてきました。そうなると同じ間取りで長く暮らすことになるのですが、何も考えずに間取りを決めると、子どもが独立して夫婦2人暮らしなのに、4部屋も5部屋もあるなんてことになってしまいます。

家を建てるときには、つい目先のことだけを考えてしまいますが、長く暮らせる家を建てるのであれば、15年後、20年後の生活も考えて間取りを決めるようにしてください。

  • バリアフリーにする
  • 階段の角度を緩やかにする
  • ドアはできるだけ引き戸にする
  • 1階だけで生活できるようにする

このような点を意識することで、老後も安心して暮らせるようになります。予算に余裕があり、住宅寿命を長くできるからこそ、先のことも考慮して家づくりを進めていきましょう。

ランニングコストを意識して家を建てる

4000万円借りて家を建てる場合には、住宅ローンの返済が生活を圧迫する可能性があります。このとき、少しでも生活が楽になるように、ランニングコストを意識して家を建てましょう。

  • 気密性や断熱性の高い家にする
  • 必要以上に間取りを広くしない
  • メンテナンスしやすい素材を外壁に採用する
  • 耐震等級の高い家にする

まずは光熱費を抑えるために、気密性や断熱性が高い家を建ててください。このとき間取りをコンパクトにすることで建築費用を抑えるだけでなく、さらに光熱費を削減できるようになります。

外壁にメンテナンスフリーの素材を採用すれば、外壁塗装の回数を減らすことができ、ランニングコストが下がります。

そしてもうひとつ重要なのが、耐震等級を高くすることです。耐震等級が上がれば地震保険が安くなりますし、実際に地震が発生したときに住宅の損傷を防ぐことができ、想定外の出費を回避できます。

複数のハウスメーカーや工務店の提案を比較する

注文住宅で家を建てるときに、依頼するハウスメーカーをすでに決めている人もいるかと思いますが、検討段階ではできるだけ多くのハウスメーカーや工務店に相談し、提案してもらいましょう。

岩井佑樹
岩井佑樹

最初から1社に絞ってしまうと、提案された間取りの欠点に気づくことが難しく、家を建ててから後悔する可能性があります

それに対して検討段階で多くの間取りを見ていると、自分の暮らしをイメージしやすくなり、間取りの失敗を防ぎやすくなります。

さらに、複数の業者に相談するということは、それだけで相見積もりの状態を生み出し、相場よりも高い金額が提示されるリスクを回避できます。土地が決まったらすぐにでも家を建てたくなりますが、焦らず比較検討にしっかり時間をかけるようにしてください。

頭金を用意するなどして無理のない返済計画を立てる

住宅ローンを借りるときには、できるだけ頭金を用意してください。4000万円をフルローンで借りると毎月の返済が厳しく、ちょっとしたことで家計が破綻してしまいます。頭金を用意すれば月々の返済額を減らせるので、破綻を回避しやすくなります。

頭金をどれくらい用意するかは、世帯収入がいくらあるかによって異なります。目安としては、年間返済額が世帯収入の15〜20%に収まるのが理想です。これくらいの返済額なら、貯金もできるため、いざというときに貯金を取り崩して返済に回すこともできます。

いずれにしても重要なのは、無理のない返済計画を立てることです。借り入れするときだけでなく、将来の子どもの学費や車の購入費など、大きな出費があることも考慮して返済計画を立ててください。

まとめ

土地込みで4000万円の注文住宅のクオリティは、土地代によって大きく変わります。都内の10坪以下の土地ですとローコスト住宅で建てるしかなく、デザインも間取りも自由度がほとんどありません。しかし、郊外に土地を買えば、自由度の高いハイコスト住宅にすることも可能です。

どちらも選べるというのが予算4000万円の注文住宅の特徴ですが、自分たちに適した場所に家を建てないと、生活に不便さを感じて後悔することになります。そうならないためにも、土地選びは慎重に行ってください。

また、4000万円をフルローンで借りると、月々の返済が生活を圧迫する可能性があります。そうなると返済困難になりやすいので、年間返済額が世帯収入の15〜20%に収まるように頭金を用意し、家づくりを進めましょう。