土地込みで3500万円内の注文住宅！ハウスメーカーの実例・間取りを紹介

最近は住宅性能が高いローコスト住宅も増えており、若い世代でも注文住宅を建てやすくなっています。ただし、予算があまりにも少ないと満足できる間取りにできなかったり、快適な住環境を整えられなかったりすることがあります。

そうならないためにも、土地込みで3500万円程度の予算を確保しておくのが理想です。そこでここでは、3500万円の予算でどのような家を建てられるのかについて紹介していきます。3500万円を住宅ローンで借りる際の注意点についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

監修宅建士

合同会社ゆう不動産　代表　岩井佑樹（1983年8月生まれ）。熊本学園大学を卒業後、飲料メーカーに就職。2013年に宅建を独学で取得し不動産会社へ転職。2023年3月に不動産専門webライター業で独立。実名記事の作成や監修を行う。

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土地込みで3500万円の注文住宅はどんな家？

人生において3500万円というのは大金ですが、土地代も含めた注文住宅の予算としては、相場よりも低い金額になります。相場よりも低いということは、家のグレードが下がるか、不便な立地になることを意味するため、どのような家に仕上がるのか気になりますよね。

そこで、ここでは土地込みの予算3500万円で、どのような注文住宅を建てられるのかについて、詳しくご紹介していきます。

どこに家を建てるかで家の広さやグレードが大きく変わる

「3500万円の家」と聞くと、とても立派な家をイメージするかもしれません。ところが、3500万円に土地代が含まれている場合には、どこの土地を購入するかによって、建てられる注文住宅の大きさやグレードが変わってきます。

たとえば東京都足立区に家を建てるとなると、16坪の土地が2000万円くらいします。16坪の家となるとかなりコンパクトになり、しかも注文住宅に使える予算が1500万円になるため、必然的にローコスト住宅を選ぶことになります。

岩井佑樹

一方、同じ東京都でも八王子市なら30坪の土地を1000万円程度で購入できます。

この場合には十分な広さの注文住宅を建てることができ、しかもデザインや間取りにこだわった、高機能で快適な家になります。

土地込みの予算の場合、このように都市部に近づくほど狭くなり、都市部から遠くなるほど広くて快適な家になります。同じ予算であっても、注文住宅のグレードがまったく違うものになるわけです。

ちなみに3500万円の予算では、港区や新宿区と人気のエリアでは土地を購入することすらできません。もっとも都市部でもここまで土地が高いのは東京23区くらいで、同じ大都市でも大阪や福岡であれば、繁華街周辺エリアでも2000万円の予算で土地を購入できます。

予算3500万円で土地込みの注文住宅の間取り

どれくらいの広さの土地を購入するかにもよりますが、30坪程度の土地を購入できれば、3LDKや4LDKの間取りにすることができます。それよりも広い土地であれば、ウォークインクローゼットやパントリーなどの収納スペースを追加したり、リビングを吹き抜けにしたりすることも可能です。

岩井佑樹

23坪くらいの狭い土地でも、3階建てのローコスト住宅なら3LDKの間取りにすることができます。

それよりも狭くなると、3階建てでも1LDKや2LDKになってしまいます。

部屋数や間取りの自由度は敷地面積に依存する部分が大きく、土地が狭くなるほど個性を出しにくくなります。建物に予算をあまりかけられない場合には、標準グレードの設備を選ぶことが多く、注文住宅なのに建売住宅と変わらないような家になってしまう可能性もあります。

予算3500万円で土地込みの注文住宅の特徴

土地込みの予算3500万円で注文住宅を建てる場合、家を建てられるエリアが広いため、すべての家に共通する特徴というものはほとんどありませんが、下記のような傾向は見られます。

すでにお伝えしましたように、土地代が安いほど住宅のグレードが上がり、1000万円以下で土地を手に入れることができれば、デザインや機能性にこだわったミドルコスト住宅で家を建てることができます。

その場合には間取りの自由度も高く、収納のための専用スペースをレイアウトしたり、吹き抜けのある開放的な家に仕上げたりもできます。

ただし、予算が多いわけではないため、すべてにこだわることはできません。このため、キッチンのみアップグレードして、トイレや浴室は標準装備にするなど、メリハリをつけて予算オーバーを防ぐ必要があります。

予算の多くを土地代に使うようにすれば、都市部にある職場近くに家を建てることもできます。家そのものはコンパクトになってしまいますが、通勤時間が短くなって家で過ごす時間を長くでき、コンパクトだからこそ家族の距離が近くなりやすいといったメリットもあります。

ミドルコストのハウスメーカー

各社	坪単価	リンク
一条工務店	50～70万	公式 解説
桧家住宅	45〜60万	公式 解説
アイ工務店	40〜60万	公式 解説
住友不動産	60～100万	公式 解説
セルコホーム	40〜70万	公式 解説
クレバリーホーム	40〜60万	公式 解説
アエラホーム	40〜55万	公式 解説
北辰工務店	46～112万	公式 解説
ヤマト住建	40～80万	公式 解説
ウィザースホーム	45万〜60万	公式 解説

3500万円の注文住宅に対応しているハウスメーカー

土地代も含めて3500万円で注文住宅を建てる場合、どの地域で土地を購入するかによって、最適なハウスメーカーが異なります。たとえば都心であれば、1500万円前後のローコスト住宅に対応しているハウスメーカーから選ぶことになります。

500万円で土地を購入できる郊外なら、注文住宅の予算が3000万円になり、ミドルコストやハイコストのハウスメーカーを選べます。このように土地によって最適なハウスメーカーが異なりますので、それぞれの条件に合ったおすすめのハウスメーカーをご紹介します。

都市部！おすすめの大手ハウスメーカー

タマホーム

アキュラホーム

桧家住宅

ウィザースホーム

ネクストイノベーション

土地に予算の多くを使った場合には、このようなローコスト住宅を得意とするハウスメーカーを利用します。このなかで3階建てを得意としているのがタマホームで、20坪前後で家を建てる場合にはファーストチョイスになります。

郊外編！おすすめの大手ハウスメーカー

クレバリーホーム

ヤマダホームズ

アイ工務店

セルコホーム

アエラホーム

土地が安い郊外なら、ミドルコスト住宅を得意とするハウスメーカーを選べます。標準装備で住宅性能が高く、いずれも間取りの自由度も高くなります。そもそも職場が郊外にある人や、ゆとりのある暮らしを望む人におすすめのハウスメーカーです。

【宅建士が選ぶ】ミドルコストの注文住宅メーカーランキング10選を徹底比較 2024年6月18日

想定よりも土地が高かった場合には工務店も選択肢に入れる

家は人生最大の買い物ですので、信頼できる大手ハウスメーカーに依頼したいという人が多いかもしれませんが、大手ハウスメーカーは広告宣伝費や中間マージンなどがかかるため、坪単価がどうしても高くなります。

岩井佑樹

このため、想定していたよりも土地が高額だった場合、大手ハウスメーカーに依頼すると予算を超えてしまう可能性があります。そのようなときは坪単価を抑えられる地域密着型の工務店に相談してみましょう。

工務店は大手ハウスメーカーよりも単価が安く、それでいて小回りも効きます。家を建てた後のフォローも迅速に対応してくれるので、安心して暮らせるといったメリットもあります。ただし、工務店ごとにスキルの高さが異なりますので、実際に手掛けた建物などを見せてもらい、信頼できると判断したうえで依頼しましょう。

3500万円の注文住宅を建てるときの住宅ローン

3500万円で注文住宅を建てるとなると、ほとんど人が住宅ローンを利用することになります。住宅ローンは金利が低いものの、3500万円も借りるとなると想像以上の利息が発生します。どれくらいの利息が発生するのか、月々の支払いがどれくらいになるのか、詳しく解説していきます。

返済額シミュレーション結果

シミュレーション結果に対する考察

住宅ローンは金融商品の中でも金利が低く、利息もそれほど多くないと思っている人もいるかもしれませんが、利用する住宅ローンの商品によっては、利息だけで1700万円前後支払うことになります。1700万円もあれば中古マンションを買えてしまいます。

毎月の返済額も継続して無理なく返済していこうと思うと、年収550万〜600万円程度の収入が必要になるため、若い世代が借りるためには共働きでペアローンを組むことになります。それでも都市部では小さな家しか建てることができません。

家を建てる場所によっては、「トータルで5000万円も払ってこの家？」と残念なことになってしまう可能性がありますので、やはり土地選びはかなり慎重に行う必要がありそうです。

土地込みで3500万円の注文住宅を建てるときの5つのポイント

3500万円の予算で注文住宅を建てるときには、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。安い買い物ではありませんので、家を建ててから後悔しないように、検討する前にしっかり頭に入れておきましょう。

注意すべきポイントはこの5点です。それぞれのポイントごとに、どこを注意すればいいのか詳しく説明していきます。

どこに家を建てるか時間をかけて検討する

予算が3500万円の場合には、土地選びがとても重要になることを、ここまでの説明でわかってもらえたかと思います。建物に使える予算が1000万円と3000万円とでは、デザインも機能も大きく変わってきます。15坪と30坪でも暮らしの快適さが違います。

安易に選んでしまうと、選ばなかったほうが魅力的に思えて、後悔することになります。

岩井佑樹

土地選びに正解はありませんが、しっかりと時間をかけて、家族みんなが納得できる場所に土地を購入しましょう。

また、最近はインターネットで土地を探すことができますが、世の中にはインターネット上に情報が公開されていない土地がいくつもあります。それらはハウスメーカーや工務店が確保していたりしますので、理想の土地が見つからない場合には、地元の工務店に相談してみましょう。

外観デザインはシンプルにする

注文住宅はデザインの自由度も高く、個性的な外観の家にすることもできますが、個性的な外観にすることで住宅価格が上がってしまいます。間取りの自由度も下がってしまいますので、これくらいの予算で注文住宅を建てるのであれば、シンプルな外観にするのがおすすめです。

シンプルな外観にすることで、塗装などのメンテナンスも簡単になりますし、デザインに飽きることがないといったメリットもあります。そして何よりも売却したり、賃貸住宅として貸し出したりするときに、買い手や借り手が見つかりやすくなります。

外観がおしゃれな家はとても魅力的ですが、1年も暮らしていれば慣れてしまいます。

岩井佑樹

そんな外観にお金をかけるよりも、暮らしの快適さがアップする設備や資材にお金をかけるのがおすすめです。

予算オーバーにならないように注意する

家を建てる予算として3500万円というのは、理想にあと少しで届く金額ということもあり、ついオプションを追加したり、設備をアップグレードしたりしてしまいがちです。その結果として、予算オーバーすることがよくあります。

しかもハウスメーカーの担当者としては、少しでも高く売りたいため、予算オーバーするとわかっていても、追加費用が発生するさまざまな提案をしてきます。そのような提案をされないように、担当者には予算上限を伝えておき、1円たりとも超えないように釘を刺しておきましょう。

それでも予算オーバーしてしまうのが家づくりです。確実に予算内で家を建てたいのであれば、担当者には予算を少なめに伝えておきましょう。家のサイズがやや小さくなるかもしれませんが、予算オーバーで返済が苦しくなることは回避できます。

都市部に建てるときは周囲環境をチェックする

通勤のしやすさを重視して都市部に家を建てる場合には、必ず周辺環境をチェックしておきましょう。まず大事なのは最寄り駅周辺の治安です。犯罪が多発しているかどうかは、警視庁犯罪情報マップで調べることができます。

そしてもうひとつ大事なのが、自然災害に対する備えができているかということです。東京で比較的土地が安い江戸川区や足立区は河川の氾濫によって住宅が浸水してしまう可能性もあります。埋立地の場合には液状化のリスクもあります。

どうしても自然災害を回避するのが難しいようなら、避難所が近くにある土地を選ぶのがおすすめです。災害リスクは郊外でもあるため、どこに家を建てるにしても、ハザードマップポータルサイトで安全性を確認しておきましょう。

住宅ローンの返済期間はできるだけ長くする

住宅ローンは返済期間が長くなるほど、返済総額が増えていきます。すでにお伝えしましたように、金利によっては借入金額の1.5倍もの返済になることもあるので、返済期間を短く設定したくなりますが、これは避けるべきです。

返済期間を短くすると、月々の返済金額が大きくなります。そうなると生活に余裕がなくなるだけでなく、いざというときのための貯金ができず、短期間でも収入が途絶えると、簡単に破綻してしまいます。

岩井佑樹

住宅ローンの返済期間はできるだけ長く設定し、返済に合わせて貯金もしてください。

貯金額がある程度の金額になったら繰り上げ返済しましょう。また、ボーナスも確実に支給されるわけではありませんので、ボーナス払いなしにしておき、貯金に回すことをおすすめします。

【2024年版】住宅ローン減税！住宅ローン控除を受けるための最新情報まとめ 2024年7月14日

まとめ

土地込みの予算3500万円で注文住宅を建てる場合、とにかく土地選びがとても重要です。まずは郊外と都市のどちらで暮らしたいのかを決めて、予算の範囲内に収まるように土地を選びましょう。このとき、土地代の上限は2000万円程度となります。

ただし、土地代に予算を使ってしまうと、建物はローコスト住宅を選ぶことになります。ローコスト住宅は間取りの自由度が低く、個性のないデザインになるなど、家づくりの満足度は低くなりやすいので、個性的なデザインの注文住宅で暮らしたいなら、1000万円程度の予算で土地を探しましょう。

また、予算によって最適なハウスメーカーが異なります。十分な予算があるならミドルコスト住宅を得意とするハウスメーカー、低予算で家を建てたいなら、ローコスト住宅を得意とするハウスメーカー、もしくは地域密着型の工務店に依頼しましょう。

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