注文住宅に和室はいらない?後悔した5つの理由と失敗しないための間取り作り

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和室のある注文住宅を建てるつもりだったのに、インターネットで調べてみると「和室を付けて後悔している」という声も多く、迷いが生じている人もいるのではないでしょうか。たしかに和室は必須の間取りではありませんし、ネガティブな評価も少なくありません。

それでも注文住宅の間取りとして和室は人気が高く、あったほうが便利という口コミもあります。ここでは和室のある注文住宅にして後悔した理由について紹介し、その理由を元に、和室のある間取りで失敗しない対策を解説します。

注文住宅に和室を付けて後悔した5つの理由

まずは注文住宅を建てるときに、和室を付けて後悔した理由について見ていきましょう。理由はいくつもありますが、その中でも多いのが以下の5つの理由です。

  • 想定していたよりもランニングコストがかかる
  • 配置できる家具が限られる
  • 思ったほど使わないのに場所を取る
  • 物置きになってしまった
  • 建物価格が上がってしまった

本当にこんな理由で後悔するの?と疑問に感じる人もいるかと思いますので、それぞれの理由について、詳しく説明していきます。

理由1.想定していたよりもランニングコストがかかる

和室には畳や障子など、経年劣化しやすいものが多く使われているため、定期的なメンテナンスが必要になり、想定以上のランニングコストがかかります。たとえば、新しい畳も5年で裏返す必要があり、裏返しからさらに5年で取り替えになります。

畳を裏返すのにも取り替えにも費用がかかりますし、カビが発生した場合には、もっと早い周期で交換が必要になります。しかも畳にダニなどが発生しないように、毎年のようにダニ対策をしなくてはいけません。

この他にも襖や障子も定期的に新調することになるなど、費用もかかるだけでなく、メンテナンスも必要になるため、暮らし始めてから後悔するケースが少なくありません。

理由2.配置できる家具が限られる

和室は床が畳になっているため、ベッドやタンスのような重たい家具を置くようにはできていません。絶対に置けないわけではありませんが、畳に跡が付いてしまうため、後から部屋の模様替えをすると、家具の跡が目立ってしまいます。

また、畳は柔らかい床になるため、タンスや本棚のように背の高い家具を置いてしまうと、強い地震があったときに転倒しやすくなるといったデメリットもあります。このため、和室には基本的に机と座椅子くらいしか設置できず、収納力が少なくて後悔することがあります。

理由3.思ったほど使わないのに場所を取る

家を建てるときには、和室の使い方についていろいろ考えていたはずなのに、暮らし始めると意外に使うことなく、ただスペースだけを取られてしまうといケースが少なくありません。

岩井佑樹
岩井佑樹

和室のある間取りにするということは、リビングやダイニングなどのスペースが削られるわけですが、結果的に本来くつろぐための場所が窮屈になってしまい後悔するわけです。

それなのに劣化もして、定期的なメンテナンスが必要になるので、余計に「いらなかった」となりがちです。

理由4.物置きになってしまった

和室は家具も少なく、それでいて使っていない空間になることが多く、結果的に物置きのような位置づけになってしまうことがよくあります。たとえば子どものおもちゃ置き場になったり、洗濯物を干す部屋になったりするなど、和室でなくてもいい使い方をしてしまいます。

物置きになってしまうと、来客があったときの客室や寝室として使うこともできなくなるため、

口コミ
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これならウォークインクローゼットにしておけばよかった

となってしまうことも珍しくありません。

理由5.建物価格が上がってしまった

注文住宅を建てるときに和室にこだわってしまったことで、建物価格が予定よりも上がってしまうことがあります。低予算で和室を作ることは可能ですが、壁や天井の仕上げ、畳の質などが下がってしまうため、それはそれで後悔する要因になります。

もちろん和室を有効利用できていれば、後悔することもありません。ただ、ここまで紹介しましたように、和室を持て余してしまうことも多く、使っていないのに建物価格が上がってしまい、必要なかったかもと反省することになってしまいがちです。

和室のある間取りの3つのメリット

ここまで読むと

口コミ
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やっぱり和室はいらない

となってしまいそうですが、実際に和室のある注文住宅を建てたすべての人が後悔しているわけではありません。和室にはメリットもあり、そのメリットの恩恵を受けられるように活用すれば、後悔する可能性は低くなります。

どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

家族のリラックススペースになる

参照:セキスイハイム

和室のメリットは、なんといっても家族のリラックススペース、くつろぎの空間になるということです。

岩井佑樹
岩井佑樹

畳の香りにはリラックス効果があることもわかっており、さらには子どもたちの集中力が上がり、勉強がはかどりやすくなるといった研究結果なども発表されています。

このため、子どもが宿題をするのにも理想的な空間になりますし、少し疲れたときに昼寝をする場合も、リビングのソファなどで寝るよりも、眠りの質が上がることも期待できます。このように家族がリラックスしやすくなるので、仲良し家族になりやすいといったメリットもあります。

来客があったときの寝室にできる

参照:ミサワホーム

汎用性が高いのも和室のメリットのひとつです。たとえば突然の来客があったとしても、和室を片付ければ、お客さんに泊まってもらうためのスペースにできます。リラックスできる環境ですので、お客さんもストレスなく休むことができ、「また来たい」と思ってもらえます。

ただし、汎用性の高さゆえに、物置きになってしまいがちなのはすでに説明したとおりです。さまざまな用途に使いたいのであれば、できるだけ生活感のあるものを置かないようにしてください。そのためのポイントについては、後ほど詳しく解説していきます。

子どもが安全に遊べる

参照:住友林業

和室は子どもの勉強に適しているとお伝えしましたが、子育てにも適した空間になります。

岩井佑樹
岩井佑樹

畳は弾力性があり、さらに保温性も優れているため、子どもは安心して体を動かせます。体を動かすことは成長段階でとても重要で、高い運動能力を身につけやすくなります。

また、遊び疲れたときに、和室ならそのまま眠ることもできます。親も添い寝がしやすく、いつも近くにいられるのも畳のメリットです。ただし、畳は汚れやすく、ダニなども発生しやすいため、毎日の掃除はもちろんのこと、汚れたらすぐに掃除するなどを習慣化しておく必要があります

和室のある注文住宅に向いてるケース

注文住宅に和室を付けたことで後悔することもありますが、和室のある間取りにしてよかったという人もいます。なぜそのようなことになるかというと、和室はそこで暮らす人のライフスタイルや方向性によって、適しているケースとそうでないケースにわかれてしまうためです。

一般的には下記のいずれかに該当する場合には、和室のある注文住宅にすることで、満足度が上がります。

  • 親や友人がよく泊まりに来る
  • 小さいお子さんがいる
  • 土地の広さと予算に余裕がある

それぞれのケースごとに、なぜ満足度が上がるのかを説明します。

親や友人がよく泊まりに来る

和室があってよかったと感じるのは、来客があったときですが、そもそも来客が少ない家の場合には、和室の恩恵をあまり受けられないことになります。畳のある暮らしをしたいだけなら、最近はユニット畳(置き畳)などもあり、あえて和室にする必要はありません。

ところが親や友人が毎月のように遊びにくる家の場合には、むしろ和室がないと不便に感じることになります。両親が頻繁に泊まりにくるタイプだったり、家に泊めたい友人がいたりする場合には、和室のある間取りにしておくと安心です。

小さいお子さんがいる

ここまでの説明でもわかってもらえますように、和室と子育ての相性はとてもよく、子どもを伸び伸びと育てたいというのであれば、勉強も運動もできてしまう和室は積極的に取り入れたい間取りのひとつになります。

岩井佑樹
岩井佑樹

この場合の和室は、できるだけリビングに隣接する形にレイアウトするのがおすすめです。

完全な個室にしてしまうと、キッチンなどで作業をしているときに姿を見ることができませんので、子育てのための和室は、作業スペースから視界に入るように間取りを決めてください。

土地の広さと予算に余裕がある

多くの人は住宅ローンで借りられる金額が収入によって制限されるため、土地の高い都市部に家を建てる場合には、敷地面積が限られてしまいます。そのような条件で建てる注文住宅に和室を作ると、リビングやダイニング、収納スペースなどが窮屈になります。

しかも和室は建物価格が上がりやすいため、土地の広さと予算に余裕があることが、和室を付けるための条件になります。和室はあると便利ですが、寝室にするというのでなければ、オプションのひとつでしかありません。優先順位をよく考えて導入するかどうかを決めてください。

和室のある間取りで失敗しないための5つの対策

後悔する人がいたとしても、自分たちの生活には和室が必要。そう考えている人のために、ここでは和室のある間取りにして、失敗しないための対策を紹介していきます。

和室の用途を明確にする

和室のある間取りにして後悔している人の多くが、使用用途を明確にしないまま「なんとなく」導入しています。和室は汎用性の高い空間ですが、目的なく導入してしまうと、使われない空間になったり、物置きとして使われたりしがちです。

岩井佑樹
岩井佑樹

注文住宅に和室を作るのであれば、家族できちんと話し合いをして、どのように使いたいのかを明確にしておきましょう。

このとき、自分たちの使い方が現実的なのかどうかを、周りの人やハウスメーカーの担当者に相談し、客観的な意見も参考にしましょう。

客室としても使うなら仕切りを設ける

和室を客室として使う可能性が高いなら、必ず仕切りを設けてください。デザイン重視で仕切りのない和室にしている注文住宅もありますが、客室にするなら空間を仕切れないと不便な思いをして、後悔してしまいます。

たとえばリビング横に仕切りのない和室を作って、そこにお客さんに寝てもらうとします。そうなると朝食を作るときに、お客さんを起こしてしまわないか気を使いますよね。

岩井佑樹
岩井佑樹

和室を作る場合には、用途を明確にするだけでなく、そのシーンをイメージして間取りやデザインを決めましょう。

和室ではなく小上がりにする

和室を子育てや家族のリラックススペースとして使いたい場合には、部屋としての和室ではなく、畳のある小上がりにするという方法もあります。小上がりなら3畳くらいのスペースで作れるため、他のスペースをそれほど圧迫しません。

岩井佑樹
岩井佑樹

さらにリビングの一角を小上がりにすることで、メリハリのある空間使いができるようになります。

もしくは小上がりそのものを、リビングエリアにしてしまうことも可能です。和室が欲しいけど、スペースが限られているときの選択肢として覚えておきましょう。

注意点として小さな子供がいる場合は、転んで角にぶつける危険があります。

琉球畳などを使って和室感を抑える

和室は「和」のイメージが強く、「洋」のイメージがあるリビングに隣接していると、存在そのものが違和感になってしまいがちです。その結果、後悔することもありますので、和室の畳は縁ありではなく、縁のない琉球畳などを検討してみましょう。

岩井佑樹
岩井佑樹

縁のない畳は洋間との相性もよく、生活の中に自然に溶け込んでくれます。さらに縁のほつれや破けなども起こらないのでメンテナンス性も高く、子どもが縁につまずくこともありません。

また、最近は色のついた畳も増えており、い草以外の畳を選ぶこともできます。和室といっても自由度が高くなっていますので、柔軟な発想で自分たち好みの空間に仕上げていきましょう。

押し入れなどで収納スペースを確保する

和室に大きな家具を置けず、収納力の低さで後悔している人もいます。その対策として有効なのが和室に押し入れを付けることです。押し入れはかなり大きな収納スペースであり、空間をうまく使えば、タンスよりも多くのものを収納できます。

もちろん客用布団の収納スペースにもなり、衣替えした衣類の保管場所にもなります。それこそ来客があったときに、和室に出していたものを隠すのにも使えるなど、押し入れがあることで和室の活用がしやすくなります。

まとめ

注文住宅に和室を作るかどうかは、とても悩ましいテーマのひとつです。有効活用できれば満足度が上がりますが、そうでない場合には後悔する可能性も高く、実際にインターネット上には「後悔した」という口コミがいくつもあります。

ただし、それらの多くが使用用途を明確にしないまま、あったら便利そうというイメージだけで導入しています。用途について家族できちんと話し合い、本当に必要だと感じたうえで和室のある間取りにした場合には、暮らしの快適度がアップしています。

和室はうまく活用できるケースとそうでないケースに分かれるため、他の人が導入しているからという理由だけで間取りに組み込むのはNGです。きちんと自分たちに有効であるかを考えたうえで導入するかどうかを決めましょう。