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車を持っている人が注文住宅を建てる際に直面する問題のひとつが、「車をどこに駐車するのか」ですよね。できることならガレージハウス(ビルトインガレージ)を導入したいけど、どれくらい費用がかかるのかわからず、迷っている人もいるかと思います。
ここではそのような人のために、注文住宅にガレージハウスを導入する場合に、どれくらいの費用が発生するのかについて解説していきます。低予算でガレージを導入する方法についても紹介しますので、ガレージ付き注文住宅を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
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合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹(1983年8月生まれ)。熊本学園大学を卒業後、飲料メーカーに就職。2013年に宅建を独学で取得し不動産会社へ転職。2023年3月に不動産専門webライター業で独立。実名記事の作成や監修を行う。
ガレージハウスの費用相場
まずはガレージハウスの費用相場について紹介します。一般的にガレージハウスの坪単価は50万~80万円が相場になります。駐車する車1台につき、4〜5坪のスペースが必要になるため、ガレージハウスの費用相場は次のようになります。
駐車台数 | 坪数 | 費用相場 |
---|---|---|
1 | 4~5坪 | 200万〜400万円 |
2 | 8~10坪 | 400万〜800万円 |
3 | 12~15坪 | 600万〜1,200万円 |
同じサイズのガレージハウスでも費用相場にかなり幅があるのは、使用する素材や導入する機能によって費用が変わってくるためです。
シンプルな駐車場でいいなら、1台につき200万円程度の追加費用でガレージハウスを導入できますが、機能性に優れた駐車場ではその2倍以上の費用になることもあります。
ガレージハウスと月極駐車場
1台あたり200万〜400万円もかかるなら、月極駐車場を借りたほうが安いのでは?と感じた人もいるはずです。では、実際にガレージハウスと月極駐車場のどちらが安いのか、費用を比較してみましょう。
月極駐車場を借りる場合の費用をまとめました。
月極駐車場 | 20年 | 30年 | 40年 |
---|---|---|---|
5,000円 | 120万 | 180万 | 240万 |
1万円 | 240万 | 360万 | 480万 |
2万円 | 480万 | 720万 | 960万 |
地方のように賃料が安いエリアでは、30年以上利用しないとガレージハウスよりも月極駐車場のほうが安くなります。注文住宅を建てる年齢によっては、月極駐車場のトータル費用が、ガレージハウスの導入費用を上回る前に運転しなくなる可能性もあります。
ただし都内のように駐車場の賃料が月額3万円を超えるような地域の場合、20年もしないうちに元を取れる計算になります。
トータル費用で比較すると、ほとんどのケースでガレージハウスのほうが安くなるため、どちらにするか迷っているなら、ガレージハウスの導入をおすすめします。
ガレージハウスをローコストで作る4つ方法
月極駐車場を借りるよりも、ガレージハウスを導入するほうがトータル費用は安くなることがわかりましたが、それでも200万〜400万円も追加費用がかかるのは痛いですよね。そこで、ここではガレージハウスの費用を抑える方法について紹介します。
注文住宅と合わせて施工する
前提として知っておいてもらいたいのは、ガレージハウスは注文住宅と合わせて施工しないと割高になるということです。予算オーバーなので、ある程度の貯蓄ができるようになってから導入しようとすると、新築時よりも高額な費用になってしまいます。
それどころか、そもそも後からは導入できないケースもあるため、妥協してカーポートや独立式のガレージにすることになりかねません。そうならないためにも、ガレージハウスは注文住宅と合わせて施工してください。
オプションをできるだけ付けない
できるだけオプションを付けないことで、ガレージハウスを安くできます。導入する設備を照明のみにして、シャッターやコンセントを取り付けないようにすれば、ガレージハウスの費用を大幅に削ることができます。
それだけ不便さを感じることになりますが、シャッターがなければ排ガスが溜まることもありませんし、騒音も響きにくくなります。シャッターがないので故障を心配する必要もありません。ちなみにガレージハウスの場合には、シャッターを後付けすることも可能です。
もちろんデメリットもありますが、出費を抑えたいなら必要最低限の設備で構成されたガレージに仕上げてもらいましょう。
劣化しにくい素材を使用する
ランニングコストを抑えたいのであれば、ステンレスやアルミなどの劣化しにくい素材を使いましょう。初期費用を抑えたいからといって腐食しやすい安価な素材を選んでしまうと、短期間での交換が必要になり、結果的に割高になってしまいます。
また、沖縄などの台風が頻繁に通過するエリアに注文住宅を建てる場合には、耐風圧に優れたシャッターを選んでください。予算が限られている場合、できるだけ低価格の商品を選びがちですが、将来の出費に影響するので、オーバースペックにならない範囲内で、品質にこだわった商品を選んでください。
カーポートや独立式のガレージも検討する
お金がないなら、無理にガレージハウスを導入する必要はありません。スペースの関係でどうしてもガレージハウスにする必要があるなら仕方ありませんが、そうでないならカーポートや独立式のガレージも選択肢に入れて検討しましょう。
シンプルなカーポートであれば20万円以内でも施工してもらえますし、独立式のガレージも100万円前後で設置できます。
カーポートや独立式ガレージであれば、撤去することも可能ですので、いずれ車のない生活に移行するという人も、カーポートや独立式ガレージがおすすめです。
注文住宅でガレージハウス建てる5つのメリット
予算に余裕があるなら、注文住宅のガレージはガレージハウスがおすすめです。問題は予算が限られている場合で、予算オーバーしてでも導入すべきかどうかということですよね。それを検討するために、ここではガレージハウスを設置するメリットについて紹介します。
ガレージハウスには以下のようなメリットがあります。
- 愛車を汚れや傷から守れる
- 盗難防止効果を期待できる
- メンテナンススペースにできる
- 雨の日に濡れずに乗り降りできる
- 車を出せばプライベート空間にできる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
愛車を汚れや傷から守れる
ガレージハウスは、雨や風などから愛車を守ることができ、飛来物によって車のボディが傷ついたり凹んだりすることもありません。さらに紫外線による影響もないため、塗装が劣化しにくく、愛車の資産価値が低下するのを防げます。
盗難防止効果を期待できる
ハイエースやアルファード、エルグランドなどの高級車は盗難リスクが高く、シャッターのないガレージに駐車することは「盗んでくれ」と言っているようなものです。ところがシャッターのあるガレージハウスに駐車すれば、そのリスクを大幅に下げることができます。
ちなみにシャッターはリモコンタイプの電動シャッターにすることで、よりセキュリティを高めることができます。
メンテナンススペースにできる
ガレージハウスはそのまま愛車のメンテナンススペースにできます。もちろんカーポートなどでもメンテナンスは可能ですが、ガレージハウスなら雨の日でも、濡れることなくタイヤ交換やワイパー交換ができます。水道があれば洗車も可能です。
そしてメンテナンス道具の保管場所にもなるなど、収納スペースになるというメリットもあります。
雨の日に濡れずに乗り降りできる
日常生活においてガレージハウスを導入して正解だったと感じるのは、雨の日に車を乗り降りするときです。ガレージハウスから家に直接入れるようにしておけば、台風の日でもまったく濡れることなく、移動できます。
小さなお子さんや介護の必要な家族がいる場合、ガレージハウスがあるとかなり助かります。そのようなケースでは予算が多少オーバーしてでも、導入することをおすすめします。
車を出せばプライベート空間にできる
ガレージハウスは車を出してしまうと、そこに大きなプライベート空間を作り出すことができます。夏には子どものためにビニールプールを設置するようなことも可能ですし、換気がしっかりしているなら、ちょっとしたBBQやおうちキャンプなども可能です。
このように駐車スペース以外にも活用できるのも、ガレージハウスの大きなメリットになります。
注文住宅のガレージハウス注意点5選
ここまでの説明で、ガレージハウスについて具体的にイメージできるようになったかと思いますが、実際にガレージハウスを導入するとなると、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。
どのような点に注意しなくてはいけないのか、詳しく見ていきましょう。
本当に必要なのかを夫婦で議論しておく
ガレージハウスはとても便利な設備ですが、注文住宅に導入するとなると、まとまったお金が必要になります。それなりの出費になったのに、新居での生活が落ち着いたら、ほとんど車を使わなくなったというケースもあります。お金をかけたのに使わないとなるともったいないですよね。
そうならないためにも、自分たちにガレージハウスが本当に必要なのかどうかをしっかり議論しましょう。その中で、カーポートや独立式のガレージではダメなのか、これから何年使い続けるのかなど、具体的な内容を議論して、本当に導入するかどうかを決めてください。
ランニングコストを算出しておく
ガレージは導入してからもランニングコストがかかります。たとえば水道を引いてきた場合には、長く使っているとパッキンが劣化して交換が必要になります。エアコンや除湿機を使うなら、定期的なフィルター交換が必須になります。
もちろんこまめな掃除も必要になり、意外にランニングコストがかかります。どれくらいのコストになるのかはケースごとに違いますので、まずは自分のケースでどれくらいの経費がかかるのかを把握しておき、導入するかどうかの検討材料にしてください。
寝室と離れた間取りにする
ガレージハウスを導入する場合、気を付けなくてはいけないのが間取りです。具体的には、ガレージハウスと寝室が離れた間取りにする必要があります。ガレージと寝室が近い場合、車で帰宅すると、シャッター音や車のエンジン音などで家族を起こしてしまう可能性があります。
まずは多少費用がかかっても、静音性の高いシャッターを採用しましょう。
さらにガレージハウスの壁や天井に防音性に優れた素材を使って、騒音を軽減してください。そのうえで、寝室をガレージハウスから離れるようにレイアウトすれば、ガレージの騒音で悩まされずに済みます。
車の買い替えを想定してサイズや設備を決める
ガレージハウスのサイズを決めるときに、現在乗っている車を基準にする人がいますが、これはNGです。たとえば軽自動車に乗っている場合、ガレージのサイズはかなりコンパクトにできますが、そうすると買い替えるときに、軽自動車しか選べなくなってしまいます。
将来、大型の車を買う可能性がありますので、ガレージハウスはそれも想定したサイズで作りましょう。また、いま1台しか持っていなくても、将来2台になる可能性があるなら、2台分のスペースを確保してください。
ガレージハウスは固定資産税が発生する
将来の買い替えや2台目の購入も考えてガレージハウスを大きくしたら、固定資産税の対象になるのでは?と疑問に感じる人もいるかもしれません。これはよくある勘違いですが、固定資産税にガレージハウスの大きさは関係ありません。大きくても小さくても固定資産税はかかります。
ただし、ガレージハウスの固定資産税は固定資産税評価額の1.4%程度ですので、そこまで高額になるわけではありません。
高額でなくても固定資産税を払いたくないなら、ガレージハウスではなくカーポートに変更しましょう。
まとめ
注文住宅にガレージハウスを付ける場合、1台分のスペースにつき200万〜400万円ほどの費用がかかります。かなり高額な費用になりますが、都内のように月極駐車場の月額が3万円を超えるような場合には、20年もしないうちに元が取れます。
しかも雨に濡れることなく車から乗り降りすることもでき、車の保護にもなるので車の資産価値が下がりにくいといったメリットもあります。ただし、固定資産税がかかりますので、将来のことも考えて、本当に必要なのかをよく議論する必要があります。
あると助かる設備ですので、予算オーバーにならないなら導入をおすすめしますが、寝室との位置関係やサイズなど決めなくてはいけないことがいくつもあります。さらに費用もかかりますので、予算が限られているならカーポートも選択肢に入れて検討しましょう。
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