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注文住宅を建てるときに重要なのが、複数の業者を比較することです。どのハウスメーカーに依頼するか決めているというケースでも、提案された間取りや金額が妥当であるかどうか判断するために、複数社に見積もりを依頼するのが一般的です。
その見積依頼の方法として、最近は注文住宅の一括見積もりを利用する人が増えています。ただし、注文住宅の一括見積もりにはメリットだけでなく、デメリットもあります。そこで、ここでは注文住宅の一括見積もりのデメリットと、その対処方法について詳しく解説していきます。
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合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹(1983年8月生まれ)。熊本学園大学を卒業後、飲料メーカーに就職。2013年に宅建を独学で取得し不動産会社へ転職。2023年3月に不動産専門webライター業で独立。実名記事の作成や監修を行う。
注文住宅の一括見積もり資料請求の6つのデメリット
まずは注文住宅の一括見積もりに、どのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。その対策についても合わせてご紹介しますので、しっかり目を通しておいてください。
見積もりの精度が低い
注文住宅の一括見積もりの場合、ハウスメーカーや工務店から送られてくる見積もりの精度がかなり低いものになってしまいます。これは希望の階数や間取りなど、簡単なアンケートを元に見積もりを作成するためで、業者は標準装備での金額を提示することしかできません。
実際にはオプションを追加しますし、注文住宅ですので細かな要望も追加されるので、一括見積もりの金額で注文住宅を建てられるケースはほとんどありません。間取りも提案されたものから大きく変わることもあります。
このため、一括見積もりで1番安い提示額だった業者を選んだのに、結果的に予算オーバーすることもあります。
注文住宅の一括見積もりは、どうしても高い精度の見積もりを期待することはできません。金額は絶対的なものではなく、あくまでも参考程度と考えておきましょう。
複数の業者から直接連絡がくる
一括見積もりの依頼をしたら、すぐに業者から電話がかかってきて、その対応に追われてしまうことがあります。1〜2社であればそれほどストレスになりませんが、10社から電話がかかってきたら、その対応だけで疲れてしまいます。
しかも依頼する業者が決まってからも、しつこく営業電話をかけてくるケースもあります。業者にしてみれば顧客獲得のチャンスですので、いくら断っても簡単には諦めることなく、迷惑に感じるほど何度も連絡してくることがあります。
業者が直接連絡してくるのは、見積もりを作るために必要な情報を聞き出すためですので、すべての電話連絡を止めることはできません。ただし、見積依頼するときの備考欄などに「電話での連絡はNG、メールにてお願いします」と入力しておくことで、電話連絡を減らせます。
自分で断るのが苦手という人は、本人に代わってお断りしてくれる「お断り代行サービス」のあるスーモカウンターを利用してください。
詳しくは以下を参照してください。
個人情報を提供する必要がある
見積依頼をするわけですから、当然のことながら個人情報を伝える必要があります。ただ、家を建てることが確定している段階なら、必要なものだと割り切って個人情報を提供することもできますが、まだ検討中という段階では伝えたくない人も多いはず。
しかも一括見積もりを依頼するということは、その中には聞いたこともないような業者が含まれていることもあり、トラブルになるのではないかと不安を感じる人もいます。そういう人にとって、個人情報を提供することが大きな障壁になることがあります。
基本的には割り切って個人情報を伝えるしかありませんが、対策としては信頼できるサイトを利用するという方法があります。個人情報の管理についての明記があるサイトや、大手企業が運営しているサイトであれば、個人情報を悪用されることがないので安心して利用してください。
例えば、一括見積もりで人気のタウンライフ家づくりはプライバシーマークを取得しております。
フォーマットや見積条件が違うから比較が難しい
注文住宅の一括見積もりをする理由は、金額や間取りを比較するためですが、提出されるフォーマットがそれぞれの業者で異なりますし、見積条件も違うため比較が難しいというのもデメリットのひとつになります。
ある程度の知識があれば、それぞれが提示してくれた書類を確認するだけで、どこに依頼すればいいのか判断できますが、はじめて家を建てる人にとっては難易度が高い作業になります。結果的に「なんとなく」で業者選びをしてしまい、後悔することも珍しくありません。
業者から提案された見積書や間取りについて、自分だけで比較検討することが難しいようなら、一括見積もりだけでなく、その後の相談まで対応してくれるサイトを利用しましょう。
登録されている業者しか利用できない
あたり前のことですが、注文住宅一括見積もりサイトに登録していない業者は、一括見積もりの対象外になります。たとえば「無印良品の家」が最有力候補なのに、一括見積もりサイトに「無印良品の家」が含まれていなければ、個別に見積依頼する必要があります。
この対策方法としては、登録している業者の数が多いサイトを利用することで解決できます。また、サイトごとに登録している業者が異なりますので、見積依頼したい業者が含まれているサイトを探して、そこで一括見積もりしましょう。
どのサイトにも登録していない場合には、その業者には個別で見積依頼し、それとは別に一括見積もりをして、比較検討できる環境を整えましょう。
担当者を選べない
注文住宅の一括見積もり経由で、見積依頼や間取り提案を依頼した場合、ほとんどのケースで担当者が自動的に決まります。このとき、残念な担当者になるケースもよくあり、家づくりを進めていくうえでストレスを感じることになります。
もちろん優秀な担当者がつくこともありますが、優秀な担当者が一括見積もりの担当にならないこともあります。このように優秀な担当者がつきにくいというのが、一括見積もり経由で見積依頼するときのデメリットのひとつです。
担当者に不満がある場合には、担当者の変更をお願いすることは可能です。業者選定の段階では割り当てられた担当者とやり取りして、この人には任せられない感じるようなら、担当者を変更してもらうよう、担当者の上司に相談してください。
デメリットがあってもおすすめする4つの理由
注文住宅の一括見積もりにはいくつものデメリットがあり、人によっては「絶対に使わないほうがいい」としているケースもあります。ただ、デメリットがあったとしても一括見積もりをおすすめする理由が4つあります。
- 情報がなければ検討もできない
- 対面で営業されないので断りやすい
- 想定外の提案をしてもらえることがある
- 相見積もりになるので魅力的な提案をしてもらえる
これだけではよくわからないという人もいるかと思いますので、それぞれの理由について詳しく解説していきます。
情報がなければ検討もできない
注文住宅を建てるうえで重要になってくるのが情報収集です。はじめて家を建てる場合、手持ちの情報はほぼゼロからのスタートになるため、この段階ではできるだけたくさんの見積書や間取りをチェックして、情報と知識を蓄えていく必要があります。
一括見積もりは家づくり初心者が手軽に情報収集できるツールでもあるので、いくら一括見積もりにデメリットがあるとしても、活用しない理由にはなりません。
妥協することなく理想の家を手にいれたいのであれば、とにかく情報量が重要です。自分でモデルハウスを見て回りながら、情報収集できるのであれば、一括見積もりを使わなくても構いませんが、そうでないなら情報収集ツールのひとつとして活用しましょう。
対面で営業されないので断りやすい
営業電話などのデメリットがあるとお伝えしましたが、実は営業電話の場合には断りやすいといったメリットがあります。相手の顔が見えないので
「他社に決まったので、もう電話をかけてこないでください」
と強く言うこともできます。携帯電話への連絡なら着信拒否することもできます。
ところが、対面で複数社と話を進めていると、選んだ業者以外にお断りの連絡をするのが難しくなります。やり取りを通じて意気投合し、親しくなってしまうと余計に断りづらくなります。その結果、第1候補ではない業者と契約することも考えられます。
もちろん、それによって満足度の高い家づくりになることもありますが、情に流されやすい人や、断るのが苦手という人にとっては、一括見積もりのほうがお断りの連絡で消耗せずに済みます。
想定外の提案をしてもらえることがある
複数の業者に見積依頼することで、それだけ多くのパターンの間取り提案を受けることになります。その中にはどこにでもあるタイプの間取りを提案してくる業者もあれば、個性的な間取りを提案してもらえることもあります。
一括見積もりを利用することで、このように想定外の提案をしてもらいやすくなり、家づくりとしての幅が広がります。
一括見積もりサイトによっては、地域密着型の優良な工務店が登録していることもあり、相場よりも安く注文住宅を建てられることもあります。
注文住宅の一括見積もりを利用することで、可能性が広がり、結果的に満足度の高い家づくりになることがあります。一括見積もりでないと出会うこともなかった業者と繋がれることもあるのが、おすすめする最大の理由になります。
相見積もりになるので魅力的な提案をしてもらえる
注文住宅の一括見積もり経由での見積依頼は、業者にしてみれば相見積もりを前提とした依頼ということになります。ここで相場よりも高い金額で提案したり、魅力のない間取りを提案したりすると、確実に他社に負けてしまいます。
それでは利益になりませんので、ほとんどの業者が価格を抑えつつも、魅力的な間取り提案をしてくれます。ただし業者によっては、相見積もりだからこそ、労力をかけることを面倒に感じて、手抜きの提案をしてくることもあります。
注文住宅の一括見積もりサイトを利用するときには、そのような業者もいることを頭の片隅に置いてください。
一括見積もりで失敗しないための4つの注意点
ここまでの説明で、一括見積もりにはメリットもデメリットもあることがわかってもらえたかと思いますが、使い方を注意することで、デメリットを最小限に抑えることができます。どのようにすれば、デメリットを感じることなく利用できるのかを見ていきましょう。
登録されている業者数が多いサービスを選ぶ
まず大事なのが一括見積もりサイトの規模です。一括見積もりサービスを提供しているサイトはいくつもありますが、規模が大きいサイトは登録されている業者数が多く、大手ハウスメーカーから小さな工務店まで幅広く情報収集できます。
利用する一括見積もりサイトを選ぶときには、登録業者数を確認して、できるだけ規模が大きいサイトを利用してください。また、登録している業者の中に、候補としているハウスメーカーが含まれていることも確認しておきましょう。
信頼できるサイトを利用する
基本的にはサイトの規模が大きければ信頼できますが、利用する前に運営している会社についてもチェックしておきましょう。ここで気をつけたいのが、必ずしも大手企業が運営していなくても構わないという点です。
大手企業が運営している一括見積もりサイトは、それだけで安心して利用できますが、大事なのは登録業者数や使い勝手のよさです。満足度の高い家づくりをしたいなら、知名度で選ぶのではなく、サービス内容で選ぶようにしてください。
見積依頼する業者数をできるだけ絞る
注文住宅の一括見積もりは、できるだけ多くの業者に見積依頼するほうが、たくさんの情報を得ることができます。ただし、あまりにも多すぎると、集めた情報を比較検討するのが難しくなりますし、何よりも多くの業者からの連絡を受けることになります。
それを回避するために、見積依頼する業者数は、自分で管理できる範囲に絞るようにしてください。同時に10社とやり取りできるなら10社に依頼しても構いませんし、そんなにも対応しきれないというのであれば、5社前後に減らして、電話などの連絡に振り回されないようにしましょう。
電話や訪問での営業をきっぱり断る
注文住宅の一括見積もりサイトを利用する際には、毅然とした態度をとることも重要です。業者がしつこく営業電話をかけてきたら、
依頼する場合にはこちらから連絡します
とはっきりと言ってください。
訪問営業に対しても同様で、迷惑していると感じたら、不快であることをきちんと伝えてください。曖昧な態度をとってしまうと、相手が粘ってきます。多少嫌味を言われてしまうかもしれませんが、むしろそんな業者と契約せずに済んだとポジティブに考えましょう。
まとめ
注文住宅の一括見積もりを利用すると、ハウスメーカーや工務店の担当者がしつこく営業の電話をかけてくるなどのデメリットがあります。そもそも精度の高い見積もりを期待できないため、参考にならないケースもあります。
それでも、はじめて家を建てる場合には情報収集がとても重要になり、できるだけ多くの見積書や間取りを集める必要があります。一括見積もりを無駄だと感じるかもしれませんが、家づくりにおいてはとても重要なステップです。
ただし、デメリットがあるのは事実ですので、できるだけ登録業者数の多いサイトや、信頼できるサイトを利用するように心掛けてください。また、お断りするときには毅然とした態度で、はっきりと断るようにしてください。
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