【宅建士監修】30坪の建て替え費用はどれくらい?失敗しないための注意点を解説

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日本の住宅は平均寿命が30年とされています。30年経過すると外壁や内装だけでなく、建物の基礎や躯体トラブルが劣化し、台風や地震などの災害リスクが高まります。とはいえ、建て替えをするにもお金がかかるという印象があり、ついつい先送りしてしまいがちです。

そこでここでは、30坪の家を建て替えるときにかかる費用を明確にし、実際に建て替えをするときにどのような点に気をつければいいのかについて、わかりやすく解説していきます。現在暮らしている住居の老朽化が気になってきたという人は、ぜひ参考にしてください。

30坪の家を建て替えるときにかかる費用

それではまず、30坪の家を建て替えるときの費用について見ていきましょう。建て替えをするときには、下記の4種類の費用が発生します。

  • 解体工事費用
  • 建築工事費用
  • 諸費用
  • 仮住まい費用

新築するときとは違って、土地の取得費用が発生しません。ただし、建物を解体工事するための費用と仮住まいのための費用が必要になります。それぞれの費用について、具体的な金額を見ていきましょう。

解体工事費用

建物の解体工事費用は、建物の構造と大きさによって決まります。建物構造ごとの相場は次のようになります。

建物構造別坪費用
木造住宅4万〜5万円
軽量鉄骨造住宅6万〜7万円
RC造6万〜8万円

30坪の木造住宅であれば、120万〜150万円で解体できることになります。ただし、解体工事をする環境によっても違いますので、正確な金額は解体業者に見積もりをしてもらいましょう。相場よりも明らかに高い場合には、その理由をきちんと確認しておきましょう。

岩井佑樹
岩井佑樹

解体工事費用:120万〜150万円

建築工事費用

注文住宅の平均坪単価は50万〜60万円ですので、30坪の家を建てるときの建築工事費用は1,500万〜1,800万円になります。これに外構や電気工事などが加わりますので、新しく建てるのにかかる費用は1,800万〜2,160万円となります。

ただし、ローコスト住宅と呼ばれる格安のハウスメーカーや工務店なら、1,000万円前後で建てることも可能です。一方でハイグレードモデルの注文住宅の中には坪単価が100万円を超えるようなケースもあり、この場合には建築工事費用が3,000万円以上となります。

岩井佑樹
岩井佑樹

建築工事費用:1,800万〜2,160万円

諸費用

建て替えをする場合には、役所への届け出や税金などの諸費用が必要になります。一般的には建物価格の5〜10%程度の諸費用が発生すると言われていますで、建物価格が1,500万〜1,800万円だとすると、75万〜180万円程度かかることになります。

岩井佑樹
岩井佑樹

諸費用:75万〜180万円

仮住まい費用

建て替えをするときに以外を大きな出費になるのが、仮住まいにかかる費用です。解体から引き渡しまでの6ヶ月から1年程度の期間、仮住まいをすることになりますが、このとき下記のような費用が必要になります。

建物構造別費用
引越業者10万円✕2(往復)
家賃60万〜120万円(10万✕期間)
諸費用30万円(礼金・仲介手数料)

家の近くに賃貸物件を借りることができれば、知り合いに頼んで荷物を運び出すこともできますが、そうでないなら業者に依頼することになるので、引越し業者に払う費用も片道10万円程度かかります。ちなみに仮住まいで使わない荷物を、引越し業者に預かってもらうことも可能です。

岩井佑樹
岩井佑樹

仮住まい費用:110万〜170万円

30坪の家を建て替える費用総額

ここまで挙げた費用をまとめてみると、総額で2,105万〜2,660万円という結果になりました。建物価格を抑えることで、2,000万円以下での建て替えも可能ですが、建て替え予算としては2,500万円程度と考えておくといいでしょう。

建て替えとリフォームはどちらがお得?

建て替え費用が高すぎて、「リフォームでもいいかな」と考えた人もいるかもしれません。でも建て替えとリフォームは根本的な目的や用途が違います。リフォームは原則として建物の躯体を再利用するので、躯体が老朽化している場合には短期間で不具合が発生する可能性があります。

単純に費用だけを考えた場合には、リフォームのほうが安くてお得ですが、安易にリフォームを選ぶと、短期間で追加のリフォームが必要になることもあります。そうならないために、建て替えとリフォームそれぞれの適しているケースをご紹介します。

建て替えが適しているケース

  • 建物の柱や基礎に劣化が見られる
  • 家族構成が変わって間取りを変えたい
  • 全館空調やZEHなどを導入したい
  • 自然災害に備えたい

建物の柱がシロアリの被害にあっていたり、基礎にヒビが入ったりしているようなら、リフォームではなく建て替えがおすすめです。また、子どもが独立して暮らしをコンパクトにしたいケースや、全館空調やZEHなどの最新設備を導入したい場合も、建て替えが適しています。

台風や豪雨、大地震に対して備えたいという場合にも、リフォームでできることが限られていますので、そのようなケースでも建て替えを選びましょう。

リフォームが適しているケース

  • 建物の柱や基礎がさらに30年以上使える
  • 現状の間取りに不満を感じていない
  • 設備や見た目だけが新しくなればいい

リフォームの魅力はなんといっても費用が安いことですが、そもそも建物の柱や基礎に問題があるようなケースではリフォームではなく建て替えが必要です。現時点で十分な強度があり、これから30年くらいは問題ない状態であれば、リフォームがおすすめです。

ただし、間取りを大きく変えることはできず、内装や外観、設備といった目に見える部分が新しくなるくらいしか変化はありません。現在の間取りや住宅性能に不満を感じているなら、リフォームではなく建て替えを選びましょう。

建て替えするときの流れ

家を建て替えるときには、家を建ててくれるハウスメーカーや工務店の選定、住宅ローンの申込みなど、やるべきことがいくつもあります。どのタイミングで何をすればいいのか把握するために、建て替えをするときの流れをご紹介します。

ハウスメーカーや工務店の選定

契約・仕様の詳細を決定
住宅ローンの申込み
解体業者選定
仮住まいへ引越し
解体工事
地盤調査・地盤改良
新築工事・引き渡し

全体の流れはこのようになります。それぞれのポイントについて解説していきます。

1.ハウスメーカーや工務店の選定

建て替えを決めたら、まずは情報収集をしましょう。できるだけ多くのハウスメーカーや工務店の注文住宅をチェックして、住宅展示場にも足を運びましょう。最初は新しい家のイメージが湧かなくても、どのような家で暮らしたいのか徐々に明確になります。

ある程度のイメージが固まったら、複数のハウスメーカーや工務店に建て替えの相談をして間取り提案をしてもらいましょう。このとき担当者の接客応対などもチェックしておきましょう。価格だけでなく提案内容も重視して、なおかつ信頼できると感じた業者を選びましょう。

依頼する業者が決まったら、住宅ローンの仮審査を受けておきましょう。

2.契約・仕様の詳細を決定

依頼する業者が決まったら、契約を結びます。建物の詳細を詰めていくのはここからです。間取りなどは契約前に決めておきますが、内装の壁紙やコンセントの位置など、細かい部分の打ち合わせを決めていきます。

3.住宅ローンの申込み

詳細が決まったら役所に建築確認申請書を提出し、申請が通ったら住宅ローンの本審査を受けましょう。

4.解体業者選定

住宅ローンの本審査に通ったら、解体業者を選定しましょう。家を建ててくれる業者に任せることもできますが、費用を抑えたいのであれば自分で解体専門の業者を探して依頼するのがおすすめです。工事範囲を明確にしてから、2〜3社に見積依頼しましょう。

5.仮住まいへ引越し

解体から引き渡しまでのスケジュールが決まったら、仮住まいを探しましょう。現場を確認するためにも、できるだけ近場で探すのがおすすめです。また、3〜4月の繁忙期は引越し業者の確保が難しいので、タイミングをずらすか、早めに業者を確保しましょう。

また新居で使いそうにないものは、引越し前のタイミングでできる限り捨ててしまいましょう。荷物を減らすことで引越しがスムーズになります。

6.解体工事

引越しが終われば解体工事がスタートします。解体工事には10〜15日程度かかります。

7.地盤調査・地盤改良

解体工事が終わって更地になったら、新しく家を建てるために地盤調査を行います。すでに家が建っていたのだから大丈夫だと思うかもしれませんが、家を建てるときには必ず地盤調査を行います。地盤調査をした結果、改良が必要になった場合には地盤改良工事を行います。

8.新築工事・引き渡し

地盤改良工事が終われば、後は建物が完成するのを待つだけです。できるだけこまめに現場に足を運び、進捗確認も兼ねて現場担当者とコミュニケーションをとっておきましょう。信頼関係を築くことで手抜き工事などを防ぎやすくなります。

契約通りに家が完成したことを確認したら、引き渡しとなります。仮住まいから新居へと引越してきましょう。

建て替えで失敗しないコツ

建て替えをするからには、現在の住まいよりも快適で満足度の高い家にしたいですよね。そこで、ここでは、建て替えで失敗しないためのコツをご紹介していきます。

「タウンライフ家づくり」を使って比較検討する

建て替えを決めたら、まずはインターネットで情報収集を行ってください。集めた情報を元に夫婦で話し合いをして、家の構造(部屋数・階数)や予算を決めていきましょう。この段階ではまだ詳細な間取りなどは気にしなくて構いません。

構造と予算が決まったら、具体的な間取りを決めるためにハウスメーカーや工務店に間取り提案をしてもらいましょう。このとき、1社ずつ依頼するのは大変ですので、「タウンライフ家づくり」を利用するのがおすすめです。

「タウンライフ家づくり」は要望などの簡単な情報を入力するだけで、対応できる業者がリストアップされ、そこから選んで提案依頼できます。それぞれから提出されたプランを比較検討して、業者の絞り込みを行いましょう。

いきなり1社に決めてしまう人もいますが、その1社の提案力や技術力が低いと満足度の高い家になりません。まずは複数の業者に提案してもらい、できるだけ選択肢を増やすことが、建て替えで失敗しないためのコツになります。

タウンライフを使ってみた感想

高齢者に優しい構造にする

家を建て替えするときには、まだまだ現役で体も健康かもしれませんが、20〜30年もすれば、体が思うように動かなくなります。小さな段差でも躓いてしまうこともありますので、室内は可能な限りバリアフリーにして、高齢者に優しい構造にしておきましょう。

浴室やトイレも手すりを付けられるくらいの広さを確保して、夫婦2人で暮らすのであれば平屋にするのもおすすめです。バリアフリーにすることで建て替え費用が上がってしまいますが、将来のリフォームも必要なく、安心して長く暮らせます。

「タウンライフ家づくり」を使ってハウスメーカーや工務店にプランを出してもらうときには、要望欄に「バリアフリー対応希望」と書いておき、高齢者に優しい間取りを提案してもらいましょう。

住宅ローン審査に備えておく

自分で建てた家を建て替えする場合には、定年退職までもあまり期間がないので住宅ローン審査が厳しくなることを想定しましょう。若い頃よりも年収が増えているから、簡単に借りられると思うかもしれませんが、返済期間中に安定収入が途切れることがマイナス評価となります。

また、以前の住宅ローンが完済できていない場合には、追加で借り入れすることになるので、こちらも審査ではかなりマイナス要因となります。

  • 他社からの借入はすべて返済しておく
  • できるだけ頭金を用意する
  • 借入希望額をできるだけ少なくする

確実に融資を受けたければ、これらの3点を頭に入れておきましょう。マイカーローンやフリーローンなどの残債があれば完済しておき、頭金も多めに用意しておいてください。さらに、建て替え費用を抑えて、借入希望額を減らした上でローン審査を受けましょう。

近所にきちんと挨拶をする

建て替えが決まったら、仮住まいへ引越しするタイミングで、近所に必ず挨拶回りをきちんとしておきましょう。特に現場周辺の家には、工事の騒音などで迷惑をかけることになります。近隣トラブルにならないようにするためにも、「ご迷惑をおかけします」と直接伝えてください。

できれば現場の責任者と一緒に訪問するのがおすすめです。何かあったときに誰に苦情を伝えればいいのか分かっているだけで、近所の方も安心します。挨拶をせずに工事をすることで、これまで築いた関係が崩れてしまうこともありますので、これだけは忘れないようにしましょう。

まとめ

30坪の家を建て替える場合、予算としては2,500万円程度必要です。想定しているよりも高く、リフォームで済ませようと考えている人もいるかもしれませんが、柱や基礎が完全に劣化している場合には、リフォームでは対応できません。基礎から建て直しましょう。

ただし、建て替えの場合には住宅ローン審査が厳しくなります。まずは住宅ローンシミュレーションなどで、自分がいくらまで借りられるのかをチェックしましょう。30坪1,000万円前後で建てられるローコスト住宅もありますので、借入可能金額が少ない場合には、それらを活用しましょう。

また「タウンライフ家づくり」を使うことで、格安で建てられる地域密着型の工務店が見つかることもあります。建て替え費用が高くても諦めずに、まずは「タウンライフ家づくり」でプラン提案してくれる業者を探しましょう。